ドブソニアンで見ることを楽しみにしていた対象はいくつもあるが、球状星団もその1つだ。特にM13は中心部から周辺部まで個々の星に分解されて見えるという事で、楽しみにしていた。M13は大きい上に個々の星が明るい球状星団なので、8cm屈折望遠鏡でもなかなか見応えがあって、周辺部は個々の星に分離され星が群を成している様子を楽しむことができる。だから32cmになっても基本的には見え方はそう大きくは変わらないだろうと、ちょっと醒めた予感も一方であった。
望遠鏡が外気に十分になじんで星像が安定してきたころに、ちょうどM13も高度をあげて気流の影響が少ない天頂付近まで昇ってきた。まずは30mm接眼レンズで見てみたが、たしかに迫力が8cm屈折望遠鏡で見た時とは違う。そして本当に驚いたのは15mm接眼レンズで見た時だ。まさに視野全体に細かい星々がビッシリと広がっている。息を飲む美しさ、というのは長いこと望遠鏡でいろいろ見てきたが、これが初めてだ。しばらくは釘付けだった。
デジカメを連結するリングが30mmの接眼レンズにしか対応していないため、コリメート撮影は30mm接眼レンズで行った。しかし、残念ながらこの倍率だとドブソニアンで見るM13の魅力はほとんど引き出せていない。実は2倍バローの組み合わせでの撮影も後日に試みたが、倍率が上がる分だけ日周運動の影響が強くなって露光時間を短くせざるを得ず、期待したような画像にはならなかった。
M13
2011年4月1日2時30分- 1.6sec. x 84 shots
撮影地:北杜市明野